「サメは狂暴で見境なく襲ってくるヤバイ魚」
「ハトは鳥頭で間抜け。カラスは利口で頭も切れる」
など、彼らにとっては、なんともトホホな話だろうが、見た目やイメージで勝手に決めつけている部分は多い。人間でも、コワモテでいかにもヤバそうな人が、話してみると実はとてもいい人だった…といった話があるように、彼らにも見た目のイメージとはかけ離れた“本当の姿”がある。
そんな、これまでのイメージとはちょっと違う彼らの実態を明らかにするのが『カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?』(松原始/山と溪谷社)。その中から、思わず驚いてしまう側面を持つ生き物をいくつか紹介したい。
サメが人を襲うのは単なる勘違いから?
某パニック映画の影響もあり、目に映るものはみな襲うべき獲物…といったイメージが強いサメ。
確かに、人間が海の中で怪我をして血を流そうものなら、サメはそのにおいを嗅ぎつけ襲ってくる。だが、実際人がサメに噛まれるのは世界で年間100件ほどしか起きていないという。しかも、サーファーをカメに見間違えて襲うことが大半なのだとか。
2019年の交通事故件数は日本だけで約38万件。サメと比べれば交通事故の方がよほど怖いのだ。
ハトはちっとも間抜けじゃない?
餌をつついては吹っ飛ばし、またキョロキョロしてはつついて吹っ飛ばす。頭がよさそうなイメージとはちょっと遠いハト。だが、意外にもハトは頭が良いという。
ハトは鏡に映る自分を虚像だと認識することができるが、頭が切れるイメージのカラスは難しいそうだ。カラスは虚像だと認識する前に頭に血が上ってしまい鏡の中の自分に喧嘩を吹っかけてしまうという。
なんとなく漠然としたイメージから間抜けに違いないと思っていたハト。だが、彼らにはまだまだ隠されたすぐれた長所がありそうだ。
タコの腕は1本ごとに自我がある?
あまり賢いイメージのない軟体動物のタコ。実は、頭脳派な生き物だと知っているだろうか?
テレビやネットなどで瓶のふたを難なく開けるタコの映像を見たことがある人もいるかもしれない。実は、ここに驚きポイントが隠されている。「ほかの生き物でも瓶くらい開けられるだろ」と思ってしまいがちだが、これが少し違う。多くの生き物たちは、失敗からトライ&エラーを繰り返して開栓に至る。しかし、タコは一目見ただけで開け方を見抜いてしまうそうだ。
ちなみに、タコの腕はそれぞれがある程度自律的に動いているという。つまり、タコは1匹でありながら、腕8本でチームプレイをしているということ。「ここは俺に任せろ!」「うーむ、お前がそう動くなら…」なんて協力しているかも…なんだかちょっと彼らの見方が変わりそうだ。
本書には、このほかにもツバメやアリなど、よく見かける生き物から、ライオンやナマケモノのように動物園でしか見られない珍しい生き物まで、さまざまな生き物の“本当の姿”が紹介されている。
映画や昔話などから思い描いていたイメージが、我々人間の勘違いだったと気づかされるポイントも多い本書。読み進めるほどに新たな発見があるはずだ。
文=冴島友貴
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August 27, 2020 at 09:00AM
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ハトは鳥頭で間抜け、カラスは利口で頭が切れる…は大きな勘違い!? 生き物たちの意外な側面 - ダ・ヴィンチニュース
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