新型コロナウイルスの感染拡大を受けた一律10万円の「特別定額給付金」について、政府は27日の時点の住民基本台帳に基づいて、すべての人に現金10万円を一律で給付することにしていて、申請の手続きは市区町村が行います。これを受け、10万円をいち早く届けようという独自の取り組みが、各地の自治体で相次いでいます。
北海道 東川町 28日から受け付け 早ければ30日にも給付
北海道東川町は、すでに町民の間では、収入の大幅な減少などが起きており、より早い対応が求められるとして緊急に現金を必要とする世帯を対象に、給付金を先払いすることを決めました。
先払いは、地元の金融機関の協力のもと、申請した世帯に対し無利子で1人当たり10万円を融資する形で行われ、返済には、後日、一律給付される「特別定額給付金」が充てられることになります。
申請の受け付けは28日から東川町役場で行われ、早ければ今月30日にも先払いを始めるということです。
東川町企画総務課の窪田昭仁課長は「すでに30件近く問い合わせが来ています。少しでも早く、給付金を生活費などに役立ててほしいです」と話しています。
北海道 湧別町 申請書発送 早ければ1日から振り込み
北海道湧別町は早速、27日、4101世帯、8547人分の申請用紙の送付を行いました。
申請用紙に必要事項を記入したり、預金通帳の写しを貼り付けたりしたあと町に返送すると、指定した世帯主の口座に世帯の人数分の給付金がまとめて振り込まれます。
湧別町の石田昭廣町長は、「自粛や休業要請による経済的なダメージを肌で感じています。町民に1日も早く給付金を届けたい」と話していました。
町によりますと、早ければ来月1日から振り込みが始まるということです。
福島 相馬 申請書発送 早ければ7日にも給付
福島県相馬市では、政府の経済対策として給付される現金10万円をいち早く届けようと、市の基金などで立て替える形で給付することを決め、27日開かれた臨時議会で、およそ35億円の費用を盛り込んだ補正予算案が可決されました。そして住民に配布する給付のための申請書を郵便局に発送しました。
申請書は、今月30日から順次各世帯に到着する予定で10万円の受け取りには、世帯主の名前や住所と、振り込み先の口座番号などを記入したうえで、市に返送する必要があります。世帯主が、マイナンバーカードを持っている場合は、専用サイトからも申請できるということです。
市は申請書を受け取り次第手続きを進め、早ければ、大型連休明けの来月7日にも給付できるということです。
相馬市の立谷秀清市長は「新型コロナウイルスの影響で困窮している人もいて、なるべく早めに給付を開始してほしいという声があがっている。今後も知恵を絞りながら、住民のサポートをしていきたい」と話していました。
兵庫 伊丹 1日から受け付け 7日にも給付開始
兵庫県伊丹市では来月1日にオンラインでの申請の受け付けを始め、翌日の2日から申請書類を順次発送し、手続きが整いしだい、連休明けの7日にも給付を始めることにしています。
伊丹市によりますと、今月22日から設けた専用の窓口には「どのように申請したらいいか」とか、「いつ書類が届くのか」といった問い合わせが、相次いで寄せられているということです。
伊丹市の藤原保幸市長は27日の記者会見で「新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、早く現金が必要だという市民の切実な声を受け、それを踏まえたスケジュールを設けた。一刻も早く給付したい」と述べました。
伊丹市の特別定額給付金事業推進班の田中康之副班長は「市内に住民票がない人や、家庭内暴力で別居している人からの相談が寄せられている。具体的な手続きの手順を案内するので、まずは電話で相談してもらいたい」と話しました。
千葉 市川 受け付け開始 早ければ15日ごろ振り込み
千葉県市川市では、新たに担当部署を作り、27日から市のウェブサイトで申請に必要な書類をダウンロードできるようにしました。
印刷した申請書に世帯主が名前や金融機関の口座番号などを記入し、口座を確認できるキャッシュカードなどのコピーや本人確認できる書類のコピーとともに、市役所に郵送すると確認の作業が行われます。
市川市は少しでも早く市民に給付するため、国からの補助金が入る前に、市の基金で一時的に立て替えて、早ければ来月15日ごろに振り込みを始めたいとしています。
市役所には、早速、手続きのしかたなどについて問い合わせの電話が相次いでいました。市川市は、ダウンロードができない人や緊急性が高くない人は、6月に郵送で届く申請書を利用してほしいとしています。
市川市特別定額給付金課の中崎士課長は「生活に困っている人にいち早く届ける必要があると考えた。入力ミスがあると給付が遅れてしまうので、注意してほしい」と話していました。
東京23区では多くの区で未定
NHKが東京23区に取材し、午後5時までの回答をまとめたところ、多くの区が受け付けの開始時期、支給開始の時期とも決まっていないと答えました。
この理由について、新宿区や豊島区、目黒区は「対象者が多く、申請内容の確認などに時間がかかるため、いつから受け付けや支給が始められるかは分からない」としているほか、荒川区は「申請状況などを管理するシステムの準備が進んでおらず見通しは立てられない」などとしています。
その一方で、品川区はマイナンバーによるオンラインでの受け付けが来月1日にも始まることを想定して、準備を進めたいとしているほか、新宿区や江戸川区などでは来月1日から相談窓口を設置したいとしています。
目黒区長期計画コミュニティ課の橋本隆志課長は「目黒区にはおよそ16万世帯があり、対象者へのはがきの発送や内容のチェックなどを考えるといつから開始できると言える状況にはない。業者への委託や事務作業をどう進めるかも含めて、決まっていないことが多く、手探りでやっていくしかない」と話しています。
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April 27, 2020 at 04:44PM
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10万円一律給付 各地の自治体で“先払い”の取り組み | 注目の発言集 - NHK NEWS WEB
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