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Wednesday, May 20, 2020

一律10万円 給付の遅れを早急に改善せよ - 読売新聞

 新型コロナウイルス対策の中でも、一律10万円の給付は、家計を支える観点から緊急性が高い。政府や自治体は現場の態勢を立て直し、迅速な給付に努めなければならない。

 混乱が目立つのが、マイナンバーカードとパソコンなどを使うオンライン申請だ。

 カードの暗証番号を忘れたり、専用サイトでの入力ミスでロックされたりする人が相次いだ。こうした人たちが相談のために、自治体の窓口に殺到した。

 国民の8割以上はマイナンバーカードを持っていない。これを機に新規に作成しようとする人も窓口を訪れ、混雑している。

 オンライン申請はもともと、窓口を訪れずに手続きを行うことで感染防止を図るとともに、迅速な給付を実現する目的がある。窓口で密集状態が生まれ、手続きも滞っているのは本末転倒だ。

 政府と自治体は、申請の注意点を改めて周知せねばならない。

 総務省所管の法人が運営するマイナンバーカードの管理システムに自治体の接続が集中し、つながりにくくなる障害も発生した。システムの強化が求められる。

 郵送方式のスピードアップを図ることも欠かせない。安倍首相が一律10万円を給付する方針を表明してから1か月以上たつのに、都市部を中心に申請書を発送できていないところが多い。

 一部の自治体は住民データの印刷や封筒詰め、発送作業を民間会社に委託している。地域によっては、特定の業者に発注が集中し、作業の遅れを招いた。

 全世帯分の印刷が終わるまで、発送を見合わせている例もある。印刷ができた申請書から、順次送り始めるべきだろう。

 津市は5月の大型連休返上で郵送の準備作業に取り組み、次々に発送したため、すでに配布を終えた。給付の対象が97万世帯に上る札幌市は、オンライン申請よりも郵送方式の準備を優先し、18日から発送を始めた。

 早急な給付が必要な人に、優先的に対応できるよう工夫した自治体もある。ホームページから申請書をダウンロードし、自治体に郵送してもらう取り組みだ。

 大切なのは、困っている人に早く給付金を届けることである。自治体は知恵を絞るべきだ。申請書の記載内容を効率的に点検する態勢も整える必要があろう。

 申請時に、記入漏れやミスがあると、自治体の作業量が増え、給付が遅れる。住民側も正確な記入を心がけてもらいたい。

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