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地球上の動物のうち、鳥類ほど見た目のバリエーションがある生き物はいないのではないでしょうか。一度見たら忘れられない、強烈インパクトの鳥たちを世界から集めてみました。
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ハシビロコウ/Balaeniceps rex(アフリカ)
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“まるで置物のようだ”と話題のハシビロコウは、アフリカ東部から中央部の沼や湿地帯に生息する留鳥です。
体長は110〜140cm、翼開長230〜260cmと大型。特徴的なクチバシの長さは約20cmもあります。全体的にグレーで、背中に光沢のある緑色の毛が生えています。
名前は、クチバシの広いコウノトリ、という意味からつけられました。
魚に気づかれないようじっとして、いざチャンスというときに襲いかかる、魚とりの名手です。
オウギワシ/Harpia harpyja(中米、南米)
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野鳥好きなら一度は見てみたい、憧れの鳥オウギワシ。中米から南米にかけての熱帯雨林に生息しています。
頭の羽が特徴で、これが扇に見えることが名前の由来。英語ではハーピー・イーグルと呼ばれ、ハーピーはギリシャ神話の上半身が女で下半身が鳥の怪鳥のこと。
尾羽にはボーダーラインがあります。体長は約1m、翼開長は約2m、体重は7〜8㎏。爪は13cmを超える長さがあり、サルやナマケモノを捕まえて食べる最強の猛禽類です。
アンナハチドリ/Anna's hummingbird(アメリカ)
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北米から南米にかけて生息するハチドリは、名前のとおり蜂のように素早く飛び、ホバリングしながら花の蜜を吸う小型の鳥。世界に300種類以上いると言われています。
その中でも特に美しいのがアンナハチドリ。アメリカ西海岸原産で全長約10cm。
光沢のあるピンクの輝きは、羽ばたく宝石と形容されるほどです。
ケツァール/quetzal(中米)
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メキシコ南部からパナマにかけて生息する美しい鳥。和名はカザリキヌバネドリといいます。
グアテマラの国鳥で、グアテマラでは通貨単位がケツァールとなっているほど、シンボル的な鳥です。
それもそのはず、古代アステカ文明の時代から神聖な鳥として崇められ、名前の由来はアステカのナワトル語で「大きく輝いた尾羽」から。限られた聖職者だけがケツァールの羽を身につけることができたそうです。
体長35cmほどで長い飾り羽があるのはオス。長い尾を含めると90〜120cmあります。
頭から背はエメラルドのような濃緑色をしていて、腹は鮮やかな赤色です。
ショウジョウトキ/eudocimus rubber(カリブ海、南米)
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南米北部のベネズエラやコロンビアなどの沿岸や川岸、カリブ諸島の海岸やマングローブ林にコロニー(集団営巣)を作って繁殖しているトキ。
カリブ海の島国、トリニダード&トバゴの国鳥になっています。
エサは魚やカエル、昆虫、甲殻類などで、エサの成分で鮮やかな赤色になると言われています。
体長は60〜70cm。北米南部から南米北部に生息するシロトキとは同じ仲間で、体形や習性が似ています。
タテジマフクロウ/asio clamator(中米、南米)
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中米から南米にかけて広く分布しているフクロウの一種。名前のタテジマは体の縦縞模様に由来。英語ではストライプオウルといいます。
体長30〜38cm、体重は約5kg。頭の羽角が耳に見えることから、日本ではウサギフクロウとも呼ばれ、かわいい見た目で人気があります。
シロフクロウ/bubo scandiacus(北極圏)
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北極圏のツンドラ地帯に生息する真っ白なフクロウ。寒さを防ぐためにクチバシや足まで羽毛に覆われています。
フクロウは夜行性なのですが、北極圏の夏は一日中明るい白夜となるため日中も活動し、寒さが厳しい冬になるとユーラシア大陸や北米の亜寒帯まで南下します。
全長約50cm、翼を広げると約160cmあり、メスと若鳥には黒や褐色の縞模様があります。
アカコブサイチョウ/knobbed hornbill(インドネシア)
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インドネシア中部、スラウェシ島の熱帯雨林に生息。嘴の上の大きな角と、カラフルな色合いが目を引く鳥です。
サイチョウの名前の由来は動物のサイからきていて、嘴の上の角がサイの角のようなことから。
体長約1m、羽を広げると1.5mもの大きさがあり、イチジクや木の実、昆虫などを食べます。
鳥類では珍しい一夫一妻で、高い木の上に巣穴を作って卵を産みます。
エボシドリ/tauraco corythaix(アフリカ)
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生息域はアフリカ南部。エボシは漢字で書くと烏帽子となり、平安時代から江戸時代にかけて男子が礼装の際にかぶった帽子にちなんでいます。
アフリカには20種類ほどのエボシドリがいて、全長は約40cm。冠羽の形状や長さは種類により異なります。
体色は光沢のある緑や青、赤色で、クチバシは小ぶりで赤いのが特徴。
アカカザリフウチョウ/paradisaea raggiana(ニューギニア)
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ニューギニアに生息するパプアニューギニアの国鳥で、国旗と国章に描かれているフウチョウ(風鳥)の一種。英名がバードオブパラダイスということから、ゴクラクチョウ(極楽鳥)とも呼ばれます。
体長は30cmを超える大型で、アカカザリ(赤飾り)の名のとおり、赤茶色で胸の脇に大きな飾り羽があります。オスは頭が黄色とグリーン、長い尾が特徴です。
キーウィ/Kiwi(ニュージーランド)
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ニュージーランドの森林地帯に生息する固有種で国鳥。日本でも“飛べない鳥”として広く知られています。
キーウィの名前は、ニュージーランドの先住民マオリが、オスの鳴き声からつけたのだそう。
ちなみにフルーツのキウイは、中国からニュージーランドにわたった際、形が似ていることから名づけられました。
飛べないため、持ち込まれた動物に捕食されるなどして、5種類いるキーウィのうち1種は絶滅危惧種、その他も近危惧種になっています。
夜行性の鳥で、保護施設などでも暗い場所で飼育されており、生きているキーウィをはっきり見ることはなかなかできません。
ニワトリほどの大きさがあり、長い嘴で地面や木をつついて虫や果実などを食べます。
アオアシカツオドリ/Blue-footed Booby(中米、南米)
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メキシコからペルーにかけての太平洋岸に生息し、ガラパゴス諸島には固有亜種のガラパゴスアオアシカツオドリがいます。
全長約80cm、翼開長約150cm、名前のとおり足が真っ青で、メスのほうがより濃い青色をしています。
繁殖期には、足を上げたり回ったりするユニークな求愛ダンスを行います。
カツオドリはヨチヨチした歩き方などから英語では「おろかもの」や「ピエロ」の意味があるブービーと名付けられていますが、群れで魚を捕るダイビングは迫力満点。
ガラパゴス諸島には、足の色が赤いアカアシカツオドリも生息しています。
アンデスイワドリ/rupicola peruvianus(南米)
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ペルーの国鳥。南米アンデスの山麓、標高500〜2400mの雲霧林がおもな生息域です。
全長約30㎝の大きなスズメの仲間で、オスは赤やオレンジと黒のツートンカラーと、頭の上の扇状の冠羽が印象的。メスは全身が茶色がかった色をしているのですぐに見分けがつきます。
繁殖期にはメスの気を引くため、激しく踊ったり鳴いたりするのだそう。雑食で昆虫や果物、カエルなどの爬虫類も食べます。
アメリカグンカンドリ/Magnificent Frigatebird(中米、南米)
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熱帯地方の大西洋沿岸や、メキシコからエクアドルにかけての太平洋沿岸がおもな生息域。ガラパゴス諸島には固有亜種がいます。
全長は最大で115cm、翼開長は2mを超える大型の鳥で、他の海鳥のエサを先が曲がった鋭いクチバシで略奪することから「軍艦」の名前が付きました。
見晴らしのいい低木林に営巣し、オスは繁殖期には真っ赤な喉袋を風船のように膨らませ、奇声をあげて上空にいるメスにアピールします。
ガラパゴス諸島には大グンカンドリも生息しており、繁殖期にオスの背中の羽がグリーンになることで見分けられます。
オーストラリアガマグチヨタカ/podargus strigoides(オーストラリア)
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オーストラリアの固有種で別名ミナミアオバズク。見た目はフクロウのようですが、ヨタカの近縁です。
ヨタカ(夜鷹)は夜行性の鳥で、夏季には日本にも飛来します。口を開けて飛びながら虫を捕食でき、昼間は木に止まって保護色になる、かなり特殊な能力をもつ鳥です。
オーストラリアガマグチヨタカは、がま口のような広い口が特徴。体長は35〜50cm。昼は天敵から身を守るために目を閉じ、クチバシを上げて枝のような擬態をします。エサはおもに昆虫で、木の上で待って捕らえます。
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気になる鳥はいましたか?
いろんな見た目、いろんな能力をもつ鳥たちは、知れば知るほどおもしろいですね。
海外に行ったら身近にいる鳥たちにも注目してみてください。
きっと何か発見があるはずです。
TEXT: グルーポ・ピコ
PHOTO:iStock、武居台三(グルーポ・ピコ)
※当記事は、2020年4月17日現在のものです。
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