長崎県五島市に今月、珍しい野鳥が相次いで飛来した。同市福江島では初めて観察されたとみられるイスカ(アトリ科)と、本来は中国に生息し近年国内でも観察され始めたキバラガラ(シジュウカラ科)。市内の愛鳥家ら2人が2日、それぞれ同市三井楽町の海岸近くの松林で撮影した。
同市の鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンターなどによると、イスカはユーラシア大陸北部や北海道などで繁殖。本県など九州でも冬鳥としてまれに観察される。くちばしが食い違っているのが特徴で、松かさ(松ぼっくり)をこじ開けて中の種を食べる。
イスカは雄で、同市の会社員、吉田竜成さん(32)が撮影。10羽以上がマツの枝に群れ、松かさをつついていたという。吉田さんは「イスカを狙っていたが本当に見つかるとは思わなかった。30分以上観察できてうれしい」と喜んだ。
キバラガラは、同市の五島自然環境ネットワーク代表の上田浩一さん(50)が撮影。雌雄は不明。本来の生息地は中国南東部だが、国内では2009年に福岡県で初めて確認され、福江島でも2、3年前に撮影された。上田さんは「松かさの中の種を探して、枝の間をせわしなく動いていたので撮影に苦労した」と振り返った。
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