新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の再延長に伴い、大阪府が要請しているイベントの「土日の無観客開催」。舞台公演はとりわけ、集客が見込める週末に集中しがちなだけに、多くが中止を迫られた。感染収束のめどがたたず、医療現場が逼迫(ひっぱく)する大阪の状況を受け止めつつも、舞台関係者からはやり場のない悲痛な声がもれる。
大阪でやりたかった「正直『なぜ大阪だけ?』という思いはあります。週末は興行の生命線。その無観客開催は、私たちにとって息の根を止められるようなもの。泣く泣く中止せざるを得なかった」。大阪市阿倍野区の小劇場「近鉄アート館」のプロデューサー、松原利巳はため息をついた。
同劇場では今月11~13日、大阪が生んだ天才棋士、坂田三吉の半生を描いた北條秀司の名作「王将」を長塚圭史の演出で三部作一挙上演する予定だった。だが、神奈川公演中に宣言の20日までの再延長が決定。神奈川公演は週末も含めて予定通り開催したが、その後の大阪公演は中止と決まった。
「王将」は長塚、福田転球、山内圭哉(たかや)、大堀こういちによる演劇ユニット「新ロイヤル大衆舎」が主催し、4年前に東京で初演。大阪が舞台の芝居で、大阪公演は4人の悲願であり再演の条件でもあった。
平日の金曜のみ上演という選択肢はなかったのか。松原は「3日のうち2日中止だと、興行成立のための収入は単純計算で3分の1に減るが、人件費や移動費などはかかり、大赤字になる」と苦渋の決断の背景を語った。
中止決定後、山内はツイッターで「いろんな人が協力してくれて、やっとかなった大阪公演でした」と無念さを吐露した。
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