決勝点を生んだエンドラン
甲子園には采配で決まる勝負がある。 読みあい、探りあい…。屈指の好カードと言われた東北王者対四国王者の対決は両軍ベンチが凄まじい火花を散らした。就任4年目の新進気鋭、37歳の須江監督vs甲子園通算51勝のベテラン、65歳の馬淵監督の戦いである。 先に動いたのは須江監督だった。 明徳の技巧派、代木に初回は三者凡退に抑えられた。ストレートは130キロ台だが、カットとスライダーを見事にコーナーに決めて130キロを速く見せる。その投球内容を見た須江監督は、ロースコアの1点差ゲームになることを予測して頭を巡らせた。 「初回の代木君を見たとき、球威があってカットボールにも切れがあった。秋よりも強くなっている。これは動かないと点が取れないと思った」 2回一死二塁で、早々と仕掛けた。 初球のカットがボールになり、カウント1-0になると、その2球目にエンドランのサインを送った。6番打者の遠藤太胡も、そのサインの意図を理解していた。 「代木投手は右打者に対して初球と2球目が甘くなるので、そこを狙いました」 2球続いた低めのカットに食らいついた打球はレフト前へ。スタートを切っていた二塁走者は、楽々と先制ホームを踏む。結果的にこの1点が勝負を決めることになる。 試合後、馬淵監督が悔いたのは、エンドランをはずせなかったことではない。 2回一死から秋山の三遊間を襲った内野安打をショートの米崎がジャンピングスローを試みて、それが悪送球となり、二進を許した場面だ。 「2回の守備は内野安打になるのは仕方ないが、投げなくていいのに投げて走者を二塁に進めた。あんなの明徳の野球ではない」 ミスは得点に絡むーー。 須江監督の仕掛けは、その勝負の流れを読んだものだったのかもしれない。からの記事と詳細 ( センバツの勝敗分けた采配力…なぜ37歳の仙台育英・須江監督は明徳義塾の“馬淵マジック”を封じることができたのか?(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE) - Yahoo!ニュース )
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