第164回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の「新喜楽」で開かれる。コロナ禍による緊急事態宣言が出るなか、昨夏の前回と同じく時間を早めて午後3時にスタート。芥川賞にはロックバンド「クリープハイプ」のボーカル尾崎世界観さんが、直木賞にはアイドルグループ「NEWS」のメンバー加藤シゲアキさんがそれぞれ初めてノミネートされ、注目を集めている。受賞作は当日、発表される。
芥川賞は候補者5人のうち3人が初の候補入り。尾崎世界観さんは、2016年に半自伝的な小説『祐介』(文芸春秋)を発表して以来、作家としても活動してきた。いかがわしいマッサージ店で働くシングルマザーの母親を幼い「私」の目を通して描く「母影(おもかげ)」(新潮12月号)でノミネートされた。ミュージシャンからはこれまで、ロックバンド「エコーズ」の元ボーカル辻仁成さんや、パンク歌手として活動していた町田康さんが芥川賞を受賞。近年では、17年にロックバンド「SEKAI NO OWARI」でピアノを弾くSaoriこと藤崎彩織さんが直木賞の候補になっている。
ほか、芥川賞には昨年、21歳の最年少で三島由紀夫賞を受賞した大学生作家の宇佐見りんさんもノミネート。候補作「推し、燃ゆ」(文芸秋季号)は、アイドルを推す=応援することに人生を賭ける女子高校生が主人公だ。木崎みつ子さんは、昨年新人賞を受賞したデビュー作「コンジュジ」(すばる11月号)で、いきなり芥川賞の候補になった。過酷な現実を生きる少女の救済を描く。
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