
鳥インフルエンザが猛威を振るい始めた。香川など四県の養鶏場で今冬、過去最多の鶏を殺処分した。新型コロナウイルスや豚熱(CSF)の収束も見通せぬ中、基本対策の徹底しかすべはない。
今冬は十一月五日に香川県三豊市の養鶏場で初めて高病原性鳥インフルが確認され、今月には肉用鶏(ブロイラー)最大産地の宮崎県でも見つかった。農林水産省のまとめ(三日時点)によると福岡、兵庫を含む計四県十五カ所の養鶏場でこれまでに計二百七万羽強を殺処分した。鳥インフルは本格的な冬の到来とともに多発する傾向にあるが、今冬は三豊市内で集中的に感染し、殺処分は愛知、千葉など九県の養鶏場で発生した二〇一〇年度の百八十三万羽を超え、既に過去最多だ。
鳥インフルは一九九六年に中国広東省で初出現し、過去には、H5N1型やH7N9型ウイルスがエジプトや中国で人への感染が確認されている。越冬のために飛来する野鳥が運んでくるとされ、国内の各養鶏場で今冬に見つかったH5N8型は昨冬、欧州で大流行したウイルスと同じ起源とみられている。北海道や鹿児島、新潟県では同じH5N8型に感染した野鳥が報告されている。
農水省などによると、鳥インフルは鳥肉や卵を食べても人に感染することはない。ただ海外では鳥の内臓やふんとの濃厚接触で人に感染した事例がある。鳥から人への感染が繰り返されることで、人から人に感染する新型に変異することも危惧されている。
野鳥やそのふんなどが付着したネズミやイタチが養鶏場にウイルスを運ぶとみられている。農水省は野鳥や小動物の侵入を防ぐネットやシートの徹底した点検を求めている。養鶏場に入る人や物、車の消毒に加え、周辺のため池を水抜きするなどして野鳥の飛来を防ぐことも有効だとしている。
新型コロナは収束の見通しが立たない。岐阜市の養豚場で二〇一八年九月、二十六年ぶりに国内で確認された豚熱は、東海や関東地方など八県の養豚場に広がり、十七万頭近い豚を殺処分した。ワクチンの接種や散布で拡大は抑えられているが、ウイルスを運んでいるとみられる野生イノシシの感染確認は各地でなお続く。感染症のトリプルパンチにさらされているわけだが、対策はやはり、基本の徹底しかない。国や地方自治体は防疫や農家などへの指導、経営支援、殺処分への補償などに万全を期してほしい。
関連キーワード
"鳥" - Google ニュース
December 05, 2020 at 05:30AM
https://ift.tt/37GlQBq
感染症対策 鳥インフルにも万全を - 東京新聞
"鳥" - Google ニュース
https://ift.tt/351TAGS
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment