前回(20年)の箱根駅伝は國學院大が3位でフィニッシュ。はじめてトップ3に輝いた。同校は18年まで11回出場して、最高成績は10位。2年間で大躍進したことになる。
転機になったのは18年の箱根駅伝だった。チームは総合14位に終わったが、2年生トリオの走りがまぶしく見えた。浦野雄平が1区で区間2位、青木祐人が3区で区間5位、土方英和が4区で区間3位。大会後、前田康弘監督は大胆な策をとる。土方を“3年生主将”に指名。「2年計画」での強化を考えたのだ。
19年の箱根駅伝は過去最高の7位。翌年度の出雲駅伝で初優勝を飾り、箱根3位の快挙につなげた。偶然ではなく、前田監督の思い描いていたストーリーが完結しての結果だった。
学生スポーツは選手が4年間で入れ替わっていく。そのため指揮官たちは“勝てるチャンス”を見極めたうえで指導している部分がある。「現在」ではなく「未来」を強くイメージして今季戦っているのが駒大だろう。
前回は國學院大に完敗、しかし
駒大・大八木弘明監督にとって國學院大・前田監督は教え子に当たる。昨年の出雲駅伝は駒大と國學院大のアンカー対決となり、駒大は敗れた。大八木監督は、「國學院大には負けられないね」と話していたが、箱根も8位に終わり、完敗したことになる。しかし、大八木監督の頭のなかには“次なる戦略”が明確にあった。
昨季は田澤廉というスーパールーキーが登場して、スカウティングも大成功。田澤を軸にした新1・2年生の圧倒的な戦力を磨いて、“黄金時代”への道を描いていたのだ。
そして今季は狙い通りに1年生が育っている。7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会5000mで鈴木芽吹が13分43秒38、花尾恭輔が13分54秒38、赤津勇進が13分56秒37、唐澤拓海が14分02秒87の自己ベスト。9月の日本インカレ5000mでは鈴木が13分43秒07で3位に入った。
そして11月の全日本大学駅伝は2区に花尾、3区に鈴木を起用。前半のポイント区間を4年生の確実性より、今後の成長を期待してルーキーに託している。花尾は区間11位、鈴木は区間5位。ともに実力を発揮することができなかったが、この経験が今後の快走に変わっていくことを大八木監督は計算しているのだ。
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