2020.5.25 5:36 共同通信
「ヨゲンノトリ」が描かれた御朱印=22日、山梨県山梨市
山梨県立博物館(笛吹市)の所蔵資料に登場する、頭が二つある架空の鳥が話題だ。江戸時代末期に現れコレラ流行を予言し、「われらの姿を朝夕に拝めば難を逃れる」と言ったとされる。同館職員が「ヨゲンノトリ」と名付けツイッターに投稿すると、同様に御利益があるとされる妖怪アマビエのように評判となり、利用申請も相次いでいる。
ヨゲンノトリが記されているのは、旧市川村(現山梨市)の村役人の日記。加賀国(現石川県)に現れ「世の中の人が9割方死ぬという難が起こる」と予言し、自分の姿が厄よけになると話したとされた。その後、実際に国内でコレラが流行し、多くの人が亡くなったとして「不思議なお告げだ」と書き残された。
4月初旬、感染拡大で休館中だった博物館の職員が、この不思議な日記と鳥を「ヨゲンノトリ」と紹介してツイッターに投稿。すると多くの反響があり、厄よけ願いとして描かれている「アマビエ」と同様に、御利益を期待する声や、商品販売の相談が相次ぎ、申請を受けた上での画像の商用利用を許可した。
差出磯大嶽山神社(山梨市)では、和紙にヨゲンノトリなどを記した御朱印を用意し、7日から約2週間で700~800枚を授与。埼玉県春日部市の三州製菓は「ヨゲンノトリ印刷煎餅」を販売中だ。
博物館は22日から再開していて、同館の中野賢治学芸員(40)は「見た人の心の不安を紛らわすことができたらうれしい」と話した。
山梨県立博物館に所蔵されている「ヨゲンノトリ」が描かれた日記=山梨県笛吹市
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May 25, 2020 at 03:36AM
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