【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)から離脱した英国のジョンソン首相は3日、今後の対EU方針についてロンドンで演説し、貿易交渉での強硬な立場を示した。EUも英国への強い要求を打ち出しており、離脱後の英EU関係は波乱含みの船出となった。
1月31日のEU離脱後、英首相の演説は初めて。ジョンソン氏はEUとの貿易交渉をめぐり、英国での補助金政策などについて「EUの規則を受け入れる必要はない」と強調した。
離脱後、英EUは12月末まで従来の経済関係を続ける「移行期間」に入っており、ジョンソン氏はこの間にEUとの自由貿易協定(FTA)締結を目指している。EUとの関税ゼロの貿易は維持した上で、環境、労働、税制などをめぐるEU規制を緩和・撤廃し、経済のてこ入れを図りたい考えだ。
一方、EU欧州委員会も3日、対英交渉の方針案を発表した。欧州委は英国との関税なしのFTAを結びたいとする一方、英国が規制を同等の水準にして「公正な競争条件」を保つよう要求した。
ジョンソン氏は漁業権をめぐっても「英国は独立した沿岸国で、独自の水域を管理している」と主張した。EUの共通漁業政策下では、加盟国は割り当てられた漁獲上限を守れば、他国の排他的経済水域(EEZ)でも漁ができる。EU加盟国は英海域でのこれまで通りの操業を求める可能性があるが、ジョンソン氏はFTA交渉で拒否するとみられる。
2020-02-03 14:26:00Z
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