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Friday, June 19, 2020

「黒人バードウォッチャー」が“幻の鳥”くらい珍しい理由(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

大自然でのバードウォッチングは、都会の喧騒を離れて平和そのもの──と言いたいところだが、じつは、そうした野外レクリエーションにこそ人種差別的な歴史があった。

バードウォッチャーは白人ばかり

バードウォッチングは誰でも楽しめる。ただし、黒人は除く──。 それがクリスチャン・クーパーの受け取ったメッセージだ。5月25日、クーパーがニューヨークのセントラルパークで野鳥観察をしていたときのことだ。クーパーがある白人女性に、公園の注意書きにあるとおり飼い犬にリードをつけてくれるよう頼むと、その女性は警察に通報し、アフリカ系アメリカ人男性に命を脅かされていると言い張ったのだ。 クリスチャン・クーパーはこのやりとりを動画に撮っていた。この動画を彼のきょうだいがSNSに投稿すると拡散され、その女性は仕事をクビになった。 この公園でのやりとりについては、さまざまな見方ができるだろう。 野鳥観察は、カナダで最も人気のある自然体験活動のひとつだ。約4人に1人の大人が鳥を眺め、餌をやり、写真を撮って時間を過ごす。 野鳥観察は安上がりだし、家の近所でもできるしということで広まった。男女問わず人気がある。子供たちに自然を教える魅力的な方法でもある。 野鳥観察は、“人種を選ぶ”趣味でもある。そこでは白人性と白人特権が手を結び、「非黒人性」が維持されている。つまり、バードウォッチャーは白人なのだ。白人の野鳥の会に所属し、白人の空間とされている森林に分け入る。運が良ければ、そこで10年に一度くらいの確率で、黒人バードウォッチャーに出くわすこともあるだろう。 私は、黒人バードウォッチャーだ。研究者でもあり、人種が自然保護、環境保護、野外レクリエーションにどう影響を及ぼすかを調査をしている。この分野は圧倒的に白人の領域で、多様性に欠けていることで知られている。

野鳥観察と人種差別の深い関係

鳥類学者のドリュー・ランハムは、自分と同じ黒人バードウォッチャーに向けた9つのルールを記している。「フードをかぶって野鳥観察しない。ダメ絶対」はそのひとつだ。 最近、ランハムはこう追記した。 「カッコウ目カッコウ科のミチバシリだって、近所を走っているだけで銃で撃たれるなんてことはないでしょ?」 前者はフードをかぶっていて殺されたフロリダ州の黒人少年トレイボン・マーティンを、後者はランニング中に射殺されたジョージア州の黒人男性アマード・アーベリーを引き合いに出した助言だ。 人種差別が野鳥観察の世界にもあるというのは、新しい話ではない。現代の野鳥保護の祖ジョン・ジェームズ・オーデュボンは、優れた著書『アメリカの鳥類』で正当な評価を得た。だが、その野鳥観察活動は奴隷制に支えられていた。ハイチ生まれのオーデュボンは、砂糖プランテーションの跡継ぎだったのだ。 オーデュボンは1803年に渡米するが、その時点でも奴隷売買をして奴隷制に関わりつづけていた。1833年にはカナダも訪れて野鳥を描いている。カナダを含む大英帝国全体で奴隷制が廃止されたのは、まさにその年のことだった。 鳥類学、つまり野鳥の研究も、植民地の学問として産声をあげた。世界の鳥たちを見つけて分類する探求は、ヨーロッパ帝国と植民地主義の拡大と翼を並べて飛躍したのだ。 “新発見”は、白人バードウォッチャーの功績になった。彼らに鳥のことを教え、鳥のいるところに案内し、標本まで準備した地元の人たちは研究から抹消されてしまった。 かつて、鳥は肉と羽毛をとるために狩られる存在だった。娯楽として観察されるようなるのは、1800年代初頭になってからだ。産業化と野蛮な都会生活への反動だったのだ。 初期の野鳥の会は、白人によって、白人のために設立された。現在の野鳥観察と野鳥エコツーリズムも事情は変わっていない。

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June 19, 2020 at 02:52PM
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