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Wednesday, June 10, 2020

コロナの影響?グラウンド中央に鳥の巣 利用者「当てたらあかんで」 - 神戸新聞

 兵庫県三田市木器の羽束スポーツ公園で住民らが約1カ月ぶりにグラウンドゴルフを再開しようとしたところ、グラウンド中央にある地面に鳥の巣が見つかった。卵が三つあり、新型コロナウイルスの感染拡大で人間が外出自粛中、親鳥が無人と思い込んで産んだようだ。動かすと親鳥が慌てるかもしれず、住民らは石で囲ってプレーを開始。「注意しよな」「当てたらあかんで~」。それでも、親鳥は気が気でないようで…。(門田晋一)

 8日朝、「下槻瀬長寿会グラウンドゴルフクラブ」の約20人が久々に集まってゲームを楽しんだ。順番にクラブでボールを打つ。

 カップまでの距離は50メートルで、卵は半分くらいの場所にある。直線コースから数メートル脇に外れているため、よっぽどの打ち損じがない限り、当たることはない。

 ただ、「気になってスコアが伸びん」と男性は苦笑い。みんなでつくった巣の“防御壁”はどうしても目に入ってしまうようだ。

 巣は1日の準備中にメンバーが見つけたという。掘った地面に小枝が敷き詰められ、当時、卵は二つだったが、いつの間にか三つに増えていた。

 プレー中、親鳥は「キリキリキリ」と不安げに鳴いて上空を飛び回る。約1時間半後、ゲームが終わって人が立ち去ると、恐る恐る歩いて卵に近づいた。体をかがめて無事を確認し、ほっとした様子で卵の上に座って温めだした。

 三田野鳥の会によると、鳥の正体は「ケリ」。チドリの仲間で、脚は長く、くちばしは黄色く、体はハトのように丸い。通常は河原の砂地や田畑の地面に巣を作るが、フェンスに囲まれたグラウンドで「獣に襲われる危険が少ない」と判断したとみられる。

 「グラウンドゴルフが自粛中だったということは分からなかったでしょうね」と担当者。通常は人が近づいたら急降下して威嚇するが、人が多すぎて鳴くしかできないという。ひなが生まれた後は敵から逃れるため、身を隠せる場所に移る可能性があるそうだ。

 巣にはまぶしい日差しが降り注ぎ、8日の最高気温は31・1度を記録。親鳥も暑いのだろうか。時折、首をかしげて太陽を見つめていた。

 ケリは今がまさに繁殖期。同クラブ会長の日野孝一さん(71)は「子育ての邪魔をしないように見守りながら、グラウンドゴルフも楽しみたい」と話した。(門田晋一)

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