【ソウル=桜井紀雄】1992年から毎週水曜日に開かれ、14日に1400回目を迎えた慰安婦問題の抗議集会が開かれたソウルの日本大使館前は、中高生や市民団体で埋め尽くされた。本来、デモが禁じられるべき外国公館前での抗議活動が韓国では常態化している現実を象徴している。
「おばあさん、愛しています」「おばあさん、頑張って」。猛暑の中、参加した90代の元慰安婦女性が紹介されると、拍手と歓声が沸き上がった。元慰安婦は「最後まで闘い、勝ってこそ勝利だ」と呼びかけた。
主催者は「加害国、日本の政府は被害者の名誉、人権を傷つける一切の行為をやめ、戦争犯罪を認めるべきだ」との声明を発表。参加者とともに「日本政府は謝罪しろ、賠償しろ」とシュプレヒコールを上げた。
主催者は推計約2万人が参加したとしている。実数はより少ないとみられるが、夏休みのこともあって中高生や大学生の姿が目立った。加えて目についたのが労働組合など特定団体が動員した人々で、「NO ボイコット・ジャパン」と書いたそろいのTシャツを着た一団もいた。日本の労組関係者の姿も見られた。
慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意を文在寅(ムン・ジェイン)政権が一方的に実質ほごにしたのに、韓国では日本が人権問題に取り組もうとしないとの主張がこうした集会を通じて拡散されてきた。子供2人を連れて参加した40代の男性は「人権問題を次の世代に伝えようと来ました」と話した。
2019-08-14 10:59:00Z
https://www.sankei.com/world/news/190814/wor1908140020-n1.html
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