巨人・杉内投手コーチが、9年ぶりの日本一へ尽力する。今季まで2年間のファーム担当を経て、来季から1軍担当に就任する上で「所信表明」として掲げたのは、今季防御率がリーグトップの3・34だった投手陣の、さらなる強化だ。
「ホークス、パ・リーグに勝てるようにやっていかなきゃいけない。1年で結果を残すことは厳しいですけど何とか少ない年数で投手王国をつくりたい」
日本シリーズではソフトバンクに2年連続の4連敗を喫し、投手力の差も痛感。鍵となるのが、若手投手陣の奮起だ。筆頭に戸郷を挙げ「今年のままでいいと思っていると来年やられる。レベルアップしなきゃいけない」と今季9勝右腕に、さらなる成長を促す。
戸郷以外にも「強化指定」として5人を指名した。リリーフで今季途中からフル回転した大江には「中継ぎとしてもっと成長させたい」。今季支配下登録された沼田にはこれまで以上のウエートトレーニングを課す方針で、左腕の横川には球速アップを求めた。10月に受けた椎間板ヘルニアの手術から復帰を目指す直江の名前も挙げ、ドラフト1位の平内(亜大)についても「楽しみ。一回見てみたい。キャンプから飛ばすだろうから、無理するなと言いながら体を鍛える」と語った。
この日は7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市を、同学年で元同僚のソフトバンク・和田と訪問。ライバル球団への思いを新たにした。原監督から「新しい風を入れてくれ」と伝えられたといい「周りのコーチ陣に臆することなく、意見を言おうと思っています」と抱負。現役時代に通算142勝を挙げた杉内コーチが、古巣を倒して頂点に立つため、若手を鍛え上げる。(田中 健人)
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