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Saturday, October 31, 2020

<東京探訪>東京港野鳥公園 自然あふれる別世界 鳥や昆虫の楽園 - 東京新聞

里山の風景を再現したエリア=いずれも大田区で

里山の風景を再現したエリア=いずれも大田区で

 東京港野鳥公園(大田区)は都会にある野鳥の楽園だ。環七通り(環状七号線)や首都高速湾岸線に大型トラックが行き交う周辺とはうって変わり、柵の内側には自然あふれる別世界が広がる。

 入園すると静かな雑木林の中で、鳥のさえずりが聞こえる。小川が流れる里山の風景を再現したエリアでは田畑が整備され、トンボやチョウも飛んでいた。

東京港野鳥公園で撮影されたモズ(日本野鳥の会提供)

東京港野鳥公園で撮影されたモズ(日本野鳥の会提供)

 公園がある場所はかつて、遠浅の海だった。一九六〇年代に埋め立てられて整備を待つ間に草原や池ができ、野鳥や昆虫が集まるようになった。

 地域からの自然保護の声を受けて七八年に前身の公園が造られ、八九年に拡大して東京港野鳥公園として開園。現在は三十六万平方メートルの広さで、二〇一九年度までに二百三十二種類の鳥が確認されたという。

 観察小屋の一つに入ってみると、望遠レンズを構えた愛好家たちが一心に淡水池の周辺を見つめていた。「そこにモズがいるよ」と教えてくれた男性は、三十年以上野鳥の撮影をしているそう。屋外の観察広場では年配のグループが談笑しながら、園貸し出しの双眼鏡をのぞいていた。

「潮入りの池」の向こうにはコンテナが積まれ、上空にはひっきりなしに飛行機が飛ぶ

「潮入りの池」の向こうにはコンテナが積まれ、上空にはひっきりなしに飛行機が飛ぶ

 淡水と海水が混じった「潮入りの池」のほとりには「ネイチャーセンター」が立ち、ガラス張りのロビーから水辺の野鳥をゆっくり見られる。常駐する「日本野鳥の会」のレンジャーの一人、古沢紀さんにオナガガモ、キンクロハジロといった、その日池にいたカモの種類を解説してもらった。

 地下に下りると干潮時に干潟の上を歩ける遊歩道が設置され、小さなカニなどを観察できる。

 池の向こうにはコンテナが積まれ、物流倉庫が並ぶ。羽田空港を発着する飛行機がひっきりなしに飛ぶ下で、鳥たちがのんびりと泳いでいた。

 【メモ】東京港野鳥公園の入園料は一般三百円。ホームページには連日、レンジャーが確認した野鳥を記載。

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