春を思わせる陽気の今日この頃。そろそろ始まるのが、鳥のフンによるクルマの外装への被害だ。例年春から初夏にかけて多く発生する鳥のフン攻撃を放置しておくと、塗装面・ガラス面に悪影響が出ることもある。そんな鳥のフンの対処方法を紹介しよう。
鳥のフンは固まる前に除去したい!
鳥類は春から初夏にかけて繁殖期を迎えて活動的になる。また、気候が温暖になると栄養価の高い餌を捕獲できるようにもなる。餌を捕食すれば、当然フンも排泄する。フンに含まれるのは、餌の残骸や水分、そして消化吸収中に使用された種々の酵素や体液など生体化学物質で、これらは酸性やアルカリ性を示す。
この酸性やアルカリ性の生体化学物質は、クルマの塗装面を破壊・シミを作るなどの悪影響を及ぼしかねない。フロントガラスに付着すれば前方視界を遮るし、見栄えはもちろん気分もよろしくない。そこで鳥のフンをうまく除去したい。
鳥のフンの除去は、見つけたらすぐにふき取ること。まだ水分が残っているようであればウエットティッシュや濡れた雑巾などで拭き取ってしまおう。もしフンが乾いてしまっていた場合、拭き取りにくい上に塗装面を傷つける恐れがある。そこで、ウエットティッシュや濡れ雑巾にさらに水を加えて上に置き、十分に水分を与えてから拭き取ろう。水分は常温で良いのだが、もし用意できるのならお湯を使うと作業時間を短縮できるので試して欲しい。
フンを拭き取ったあとは、塗装面のチェックだ。シミができていればシミ除去剤を試してみよう。コンパウンド/研磨剤を使うと塗装面に悪影響を及ぼすこともあるので避けたい。シミがとれたら、虫の汚れ取りカーシャンプーで洗車して、ボディの水分を拭き取っておこう。ボディに水分が残ると、新たなシミの発生原因となるので要注意だ。
もしクルマのガラス面に鳥のフンが付着したとしても、除去方法は同じだ。フンが付いたばかりで水分が残っていればウエットティッシュや濡れ雑巾で、乾いていれば水分を与えて柔らかくしてから拭き取ろう。
ただし、ガラス面のなかでもフロントウインドーに鳥のフンが付着したときは要注意だ。こんなときにもついつい、ウインドーウオッシャーとワイパーという汚れ除去アイテムを使ってしまいがち。しかし、鳥のフンに未消化の虫の死骸が含まれている可能性を忘れてはいけない。虫はその体に無数の細かいトゲを持っていることも多く、やみくもにワイパーを動かせばフロントウインドウに細かい傷をつけてしまう可能性もある。無数の傷は光を乱反射させ、最悪の場合には前方視界の確保が困難になることも予想される。
フロントウインドウに付着した鳥のフンこそ、丁寧に水分を与えて拭き取ろう。もしコーティングしている場合、その被膜が鳥のフンに含まれる生体化学物質で破壊されている可能性もある。洗車後に新しくコーティングを施すと良いだろう。
鳥のフン被害を回避する方法
鳥のフン被害はなにも春の繁殖期に限ったことではなく、ムクドリの大量発生しやすい地域では年中困っているだろう。そこで、鳥のフン被害を回避する方法を紹介しよう。一番簡単で確実なのは、鳥フンが車に付着しないようにすることだ。その方法としてカーカバーの装着が第一に挙げられる。ただし、カーカバーも鳥フンで痛むので、洗い替えのためにスペアを2、3枚用意しておきたい。
次にカーポートのように駐車場に屋根を設けることだ。カーポートの屋根の場合、前後両横が遮断されていないものの、頂上部は鳥のフンをシャットアウトできる。併せて先述のカーカバーを併用すれば、鳥のフン害は抑えられるだろう。ただし先述のカーカバー同様、カーポートの屋根に鳥フンが溜まることもあるので、こまめなメンテナンスが必要だ。
鳥フン対策の最終手段はビルトインガレージだ。ビルトインガレージなら、愛車を野生の鳥類から完全に隔離でき、フン害に合う確率はほぼない。ただし、費用がかなりかさむ。ビルトインガレージが無理で敷地に余裕があるなら、車庫を大型の小屋やビニールハウスの中に設置する手もある。それぞれの事情に合った方法で、フン害対策を行いたい。(文:猪俣義久)
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March 11, 2020 at 06:13PM
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【くるま問答】鳥フンが固まってしまったら、どうやって取ればいいの? ダメージの少ないベストな方法とは! - motormagazine.co.jp
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