【台北=田中靖人】台湾空軍は主力戦闘機の旧式化と老朽機の退役で「質」「量」ともに課題に直面する一方、中国が「台湾独立」派とみなす民主進歩党の蔡英文政権発足後に急増した中国軍機の台湾周辺飛行への対応に追われてきた。米国でF16Vの売却が正式決定されれば27年ぶりとなり、蔡政権は新型機の純増を歓迎している。
蔡氏は17日、「非常に感謝している」と述べる一方で、正式通知を待つ姿勢を示した。その上で、売却は空軍の戦力を向上させ「台湾海峡と地域の平和と安定」に貢献すると強調した。
空軍司令部は16日、フェイスブックで、要求したのは最新型の「F16Vブロック70」だと公表。供与後は新たに戦術戦闘機連隊を2個編成し、計6個連隊に増強する方針を示した。
同司令部によると、米国への売却要求は2003年に開始。米議会調査局の報告書によると、台湾は陳水扁政権下の06年と07年にF16C/D66機の売却を求め3回に渡り「引合受諾要求書」(LOR)を提出しようとしたが、米国は受け取りを拒否した。
米国は馬英九政権下の11年、新規売却の代わりに既存のF16A/Bの能力向上に応じ、17年からV型への改修が進んでいる。今回売却されるのがブロック70であれば、改修機よりも航続距離などの面で優れる。
また、台湾は本島南東部に3個飛行隊分のF5戦闘機60機を配備していたが、老朽化で使える機体は半分程度に減っているとされる。16年の蔡政権発足後、中国軍機が台湾東部にまで進出する回数が急増し、戦闘機不足による防空態勢の不備が指摘されていた。
2019-08-17 11:54:00Z
https://www.sankei.com/world/news/190817/wor1908170025-n1.html
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